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悲しみがもたらす5段階の心の変化(1)
●悲しみがもたらす5段階の心の変化、悲しみのプロセスについてご案内します。

「日にち薬」という言葉があります。
悲しみは時が過ぎれば薄らいでいき、時間は心を癒す妙薬だというのです。

悲しい記憶は、確かに時がたてばある程度薄らいでいきますが、悲しみが癒える過程には時間の経過以上のものが必要でもあるのです。
それは、つまり、単に経過する時間が重要なのではなく、その時間の経過の中で記憶のありかたを変えることが重要ということです。

それでは、まず時の経過の中で、時がどのような状況を経て心をなごませ、癒してくれているかを知る必 要があるといえるでしょう。

その内容を5段階に分けてご紹介します。

(1)第1段階 ショック状態について

ショック状態とは、伴侶を突然失い、茫然自失となり、一時的に感情が鈍く麻痺したような状態が起こり、何も感じられなくなる段階です。
死を知らされた直後は「まさか」と思い、現実のものとして受け入れることができなくなり「死の否認」という状態になります。

それは、自己防衛としての機能を果たし、認めがたい現実にワンクッションおき、ゆっくり受け入れようとする自然の配慮なのです。

伴侶の死からかなり時がたっても、亡くなったことを心から認めることができない人がいます。しかしながら、亡くなったことを心から認めることが、悲しみを乗り越える第一歩なのです。
「出張している」とか「旅行に出ている」というように自分に言い聞かせて伴侶の生前と同じ生活を続けている限り、悲しみから立ち直っていくプロセスを前へ進めることができないともいえるのです。

この文章・図表については、「夫・妻の死から立ち直るためのヒント集」(三省堂刊)「配偶者を喪なう時」(廣済堂刊)共に河合千恵子編・著により構成しました。

各内容は、一般的な状況を前提としておりますので、個々の条件には合致しないこともあります。自分の状況に応じたくわしい内容を知りたい場合は、該当の相談 窓口や専門家におたずね下さい。
(この項目の情報提供:ウィドウ・サポート協会/ほほえみネットワーク)


(2)第2段階 喪失の認識と怒りについて

ショック状態が過ぎると、やがて、やはり伴侶が亡くなったのだという喪失に気付く段階がやって来ます。
この段階では、どっと悲しみが押し寄せ、最も感情が揺れ動く激情の時なのです。
今まで自分を支えていてくれた基盤が亡くなり、ただふわふわと拠り所がなく、不安で、しっかりと生きていく意欲や自信が持てなくなったりします。

この段階で現れる悲しみの現れの一つとして「怒り」があります。配偶者の死に直接関連のあった対象に まず「怒り」の矛先が向きます。例えば、医療関係者に対する怒り「医者の診立てが悪かった」「看護婦 の態度や扱いが悪かった」「医療ミスがあった」などがそのおもな内容でしょう。

次にターゲットになりやすいのが、葬儀社やお坊さん対するものです。葬儀は事前に準備することが難しく、その内容を吟味する精神的、時間的余裕がありません。そのため、サービスの質や料金について、はたまた戒名料などに「怒り」が集中していきます。
三つ目のターゲットとして、心ない周囲の人に対するものです。詮索好きな人の言葉や配慮に欠ける態度 が伴侶を失った人の心を傷つけていきます。

そして、怒りは現実の対象ばかりではなく、目に見えない対象、例えば自分を一人遺していってしまった 伴侶へ向かうこともあります。結婚する時は共に白髪まで幸せにすると誓ったのに自分だけ勝手に一人で いってしまった伴侶への怒りです。

もう一つは、なぜ自分だけこんな目にあわなければならないかという点です。伴侶の死という出来事が自 分の身の上にふりかかってきたこと自体への怒りです。その結果、神仏や運命というものに対しての怒りへと向けられます。
これらのさまざまな怒りは、入り組み、混乱し、自分でもなぜ怒っているのかわからないことさえあります。

このような怒りには適切に処理されねばなりません。怒りを処理することなく閉じ込めておくと何年にも渡って本人の心の平和を奪い、家族や周囲の人達を困らせるようなことになってしまうこともあります。

この文章・図表については、「夫・妻の死から立ち直るためのヒント集」(三省堂刊)「配偶者を喪なう時」(廣済堂刊)共に河合千恵子編・著により構成しました。

各内容は、一般的な状況を前提としておりますので、個々の条件には合致しないこともあります。自分の状況に応じたくわしい内容を知りたい場合は、該当の相談 窓口や専門家におたずね下さい。
(この項目の情報提供:ウィドウ・サポート協会/ほほえみネットワーク)


(3)第3段階 引きこもり状態について

引きこもり状態は、第2段階の怒りなど、激情の時の反動として位置づけられるものです。

伴侶の死後、葬儀をはじめとするさまざまな雑事を追われるように処理してきて疲労が頂点に達し、疲弊 した状態へと近づいていきます。この冬眠したような状態はエネルギーが再び満たされ次のステップへの 準備がなされる大切な時期なのです。
この時に、くり返しくり返し今は亡き伴侶のことを回想し、その死を意味づけ悲しみの消化作業をおこなうのです。

この過程の中で罪悪感に悩むことがあります。今は亡き伴侶と自分の取ってきたさまざまな態度や行動と を関連させて、自責の念にさいなまれるのです。
「別の病院で治療させたら治ったかも知れない」「あの時、私が病気の兆候に気付いてやればよかった」「私がちゃんと無理やりでも病院に連れていけばよかった」「あの時、あの人が食べたがったものを食べさせてやればよかった」などです。

また、伴侶はまだ生きたかったのに亡くなってしまい、自分だけがこうして生きているということへの後ろめたさを感じることもあります。

このような状態の時は、結果論で考えても堂々巡りをくり返すだけです。
今となってはやり直すこともできず、亡き人から許される機会もないからです。
そのような時は「できることの最善のことをしたのだ」ということを思い出してみる以外ないのです。

往々にして、この段階にある人は痛ましい表情や人を寄せつけない雰囲気になりがちです。その結果、次第に周囲の人々の足は遠のき、サポートの手を差し伸べていてくれた親切な人達も見切りをつけ去っていくこともあります。
こうしたことで、本人の心はさらに傷つき一層落ち込んでしまったりします。

抑うつの程度を測定するチェックリストが用意してあります。チェックリストにある言葉が今の自分にどの程度当てはまるか回答してみて、点数を合計します。全部で33項目あり、全項目に「とてもある」と 回答すると99点になります。平均点は40点前後が目安です。それは、多くの人達が落ち込むレベルと考 えてもよいでしょう。そして、しばらく経ってから、再度挑戦してみてください。あなたの心の軌跡を振り返ることができます。

●抑うつのチェックリストをご紹介します

下にいくつかの言葉が書いてあります。
その言葉が最近のあなたの心の状態にどの程度あてはまるかをお答ください。


この文章・図表については、「夫・妻の死から立ち直るためのヒント集」(三省堂刊)「配偶者を喪なう時」(廣済堂刊)共に河合千恵子編・著により構成しました。
各内容は、一般的な状況を前提としておりますので、個々の条件には合致しないこともあります。自分の状況に応じたくわしい内容を知りたい場合は、該当の相談 窓口や専門家におたずね下さい。
(この項目の情報提供:ウィドウ・サポート協会/ほほえみネットワーク)


(4)第4段階 癒しと回復の時期について

ショック状態、怒りの状態、引きこもり状態と変化した悲しみのプロセスは、やがて転換期ともいえる癒しを迎える時期がやって来ます。

夫として、妻として生きてきた過去の役割を捨て、自分の新しい役割をさがしだし、自分が自分であることを改めて認識し、アイデンティティを強めていく時期です。
このことは、伴侶の死を現実のものとしてハッキリと受け入れられるようになる時期でもあるといえます。

ただ、伴侶の命日が近づくにつれて心が落ち込んでいくという命日反応が起こったりもします。紅葉が散るころに伴侶が亡くなっていれば、散っている紅葉を見ただけで涙が出てしまうのです。

心の落ち込み度を示す抑うつ感を点数化し、その平均値を、死別後まもない人から、しばらく時がたった 人まで、死別後の経過月別に示したグラフがあります。
死別から経過した月数が浅い人の抑うつ感の点数は高いのですが、経過月数が長くなるにつれて徐々に低くなっていきます。しかし、命日にあたる12ヶ月後は極めて高い点数になっています。これが命日反応 といわれるものです。
したがって、その状態は悲しみから立ち直れないのではなく、誰にでも生じる経過なのだと理解したほうがよいでしょう。



この文章・図表については、「夫・妻の死から立ち直るためのヒント集」(三省堂刊)「配偶者を喪なう時」(廣済堂刊)共に河合千恵子編・著により構成しました。

各内容は、一般的な状況を前提としておりますので、個々の条件には合致しないこともあります。自分の状況に応じたくわしい内容を知りたい場合は、該当の相談 窓口や専門家におたずね下さい。
(この項目の情報提供:ウィドウ・サポート協会/ほほえみネットワーク)


(5)第5段階 悲しみからの再起について

悲しみからの再起とは、伴侶の死と共に古い自分も死に、新しい自分として目標を設定し、今までとは異 なる方向に生きていこうとする新しい段階です。

悲しみは癒えていきますが、今度は孤独感が深まっていくこともあります。
また、心も身体も健康になるので、性的な関心もよみがえってきます。

この頃になると、再婚についても考え始めたりします。
しかし、無意識のうちに、亡くなった伴侶に似た人を探し求め、その代用と考えてみたり、家事をしてくれたり、病気の際に看病をしてくれる便利な人を求めているにすぎない場合もあります。このような場合の再婚は、うまく行かないことが多いようです。
亡くなった伴侶に対する心の消化作業を完全におこない、新しい伴侶の人格を尊重し、誠意をもって迎え入れることが再婚を成功させる条件といえるからです。

以上、5段階にわたる悲しみのプロセスについてご紹介してきましたが、この内容は一つのモデルケースとお考えください。人によっては必ずしもこの段階を順々に踏んでいくとは限りませんし、後戻りしたりすることも多いからです。

ここでご紹介した内容は、現在自分がどのような段階にいるのかの目安にはなると思いますので、参考としてお役立ていただければ幸いです。


悲しみのプロセスの5段階

第1段階 ショック状態について
第2段階 喪失の認識と怒りについて
第3段階 引きこもり状態について
第4段階 癒しと回復の時期について
第5段階 悲しみからの再起について

(この項目の情報提供:ウィドウ・サポート協会/ほほえみネットワーク)

この文章・図表については、「夫・妻の死から立ち直るためのヒント集」(三省堂刊)「配偶者を喪なう時」(廣済堂刊)共に河合千恵子編・著により構成しました。
各内容は、一般的な状況を前提としておりますので、個々の条件には合致しないこともあります。自分の状況に応じたくわしい内容を知りたい場合は、該当の相談 窓口や専門家におたずね下さい。


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